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マニパニとは?ダメージ毛程よく染まる?傷まないヘアカラー?

投稿日:2020年3月20日 更新日:

マニパニは最近海外有名セレブやハリウッド女優、アーティストの中でとても流行っているヘアカラー剤の一種です。ここまで愛されている理由は、他には出せない発色と、ダメージの少なさにあります。

マニパニをもっと知ってもらうために、マニパニとは何か、そして普通のカラー剤との違いやダメージが出にくい秘訣についてお伝えします。

マニパニとは?ダメージ毛程よく染まる?傷まないヘアカラー?

マニパニとは、「マニックパニック」の略語でニューヨークに拠点を置くショップブランドであり、その中で今大流行のヘアカラーなんです。赤や青、それに緑色といった多彩のカラーが特徴で、一度はやってみたいカラーリングが叶ってしまいます。

全体カラーではなく毛先だけのグラデーションカラーやポイントカラーとして髪色を楽しむこともできます。

「ド派手な色にしたら、髪ぼろぼろになるのでは?」かと思いますが普通のカラー剤と大きく違うところは「ダメージが少ない」ところです。トリートメント効果も兼ね備えております。普通のカラー剤との違いを説明しますと、普通のカラー剤で使われる薬剤は強めのアルカリ剤を使用してキューティクルを開いて、その中に酸化染料を入れて発色させます。

その時にキューティクルが開いてしまうので、どうしても栄養素やツヤが失われてしまい、乾燥やパサパサとしたダメージの原因になります。それに、発色させるために使う酸化染料にはジアミンが含まれており、これが頭皮の痒みやかぶれを引き起こす場合もあります。

一方のマニパニはアルカリ剤や酸化染料を配合していないため、これらによるダメージを受けることはありません。それに自然由来成分で出来ておりトリートメント成分を配合されていますから髪や頭皮に優しいカラー剤です。

主成分はハーブや酢酸で出来ていますので通常のカラー剤のような強めの化学薬品は配合されておらず、刺激性による害はほとんどないと言えます。

となると「普段のカラー剤のように根元に付けたり、ベタベタと髪につけても問題ないんじゃないか?」と思う方もいるとは思いますが、ハーブなどのアレルギー反応によっては痒みや痛みの心配も考えられますのでつけすぎには注意しましょうね。

 

普通のカラー剤を使ってのデメリットである、

・酸化染料に含まれるジアミンによる頭皮のかぶれ

・アルカリ剤による髪のダメージ

これらの心配がほとんどなくなるのでカラー剤選びの選択肢としては有効だと思います。ダメージ毛に困っている人や、ブリーチ後のビビットなカラーにも挑戦することができますよ。

 

マニパニはどういう原理で髪が染まるのか?

普通のカラーではアルカリ薬剤を使いキューティクルを開きながら内側へ入っていき髪を発色させていますが、マニパニはどうやって髪を発色させているのか?という点についても触れていきたいと思います。マニパニは、比較的髪に優しいと言われる「塩基性染料」と「HC染料」を組み合わせて作られています。

簡単に言うと、一つ一つの染料の分子量が大きく、髪の内部まで染料が浸透せず髪の表面でイオン結合させて発色させるカラーのことです。

 

◆塩基性染料

染料の分子が大きいため髪の内部には浸透せず表面にイオン結合して発色。色味のバリエーションが少ないが、HC染料に比べると色落ちはしにくい。

 

◆HC染料

染料の分子が小さいため、キューティクルを開かず隙間から髪の内部に浸透し発色。色のバリエーションは豊富。染料がキューティクルの隙間から入りやすい、逆に言うと抜けやすいということですので色落ちが早い。塩基性染料で色味が出せない分、HC染料で色味のバリエーションを広げています。また、HC染料だけではどうしても色落ちが早いので塩基性染料を組み合わせることで色持ちを良くしているんです。

この2つが合わさることでお互いのデメリットを補てんさせることができるところが塩基性カラーの強みと言えますね。

しかしながら、デメリットが解消できないのは「色持ち」普通のカラーとは違って、色落ちはどうしても早く個人差がありますが2週間~1ヶ月ほどで色落ちすると言われております。逆に捉えれば、色落ちが早いため、好きな色にいろいろ挑戦してみたいという方にとってはオススメのアイテムです。

 

マニパニはダメージ毛の方が染まりやすい?

マニパニが染まる仕組みがなんとなくお分かりいただいたところで、イオン結合させて髪を発色させる点についてもう少し詳しくみていきましょう。ちょっと帯電のお話をしながら説明しますね。

本来黒い健康状態の髪は「+」プラスの電子(イオン)で覆われています。一方の傷んだ髪はというと、「+」プラスのイオンの他に、「-」マイナスのイオンが混在されて覆われています。そしてマニパニの染料である「塩基性カラー」は「+」プラスのイオンを持っています。「+」や「-」イオン同士は反発しますが、「+」と「-」は、くっつく性質を持っています。

髪の毛を下敷きでこすると、静電気によって引っ付きますよね?これは、髪と下敷きに発生する、「+」と「-」イオンの結合によって起こるものです。

黒い健康な髪「+」よりも、カラーやブリーチで傷んだ髪「-」の方が塩基性カラー「+」がひっつきやすい、つまり、ダメージ毛の方が綺麗な髪よりも染まりやすいのです。

健康状態の髪とはいえ、髪は毛先に行くにつれ傷み根元の方が綺麗な髪です。ですので、毛先に行くにつれて染まり方が変わってくるんです。つまり今の髪にマニパニを塗っても綺麗に染まらない可能性があるということです。

ですから、マニパニを塗る際はブリーチをして一旦髪を、均一に「-」イオンにさせたほうがムラがなく発色しやすいです。傷んだ髪にブリーチをするとさらに傷みは増しますから、自分で判断できない場合は、美容師さんなどに相談してブリーチすべきかどうかを聞いてみるのも良いかと思います。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、『マニパニとは?ダメージ毛程よく染まる?傷まないヘアカラー?』についてご紹介しました。

マニパニのメリットとデメリットをまとめてみました。

◆メリット

✔髪や頭皮は化学薬品による傷みがほとんどない

✔カラーの後にトリートメント効果がある

✔ダメージ毛の人は発色しやすい

✔ビビットカラーでも安心して染められる

✔髪色を変えやすい

 

◆デメリット

✔ブリーチしないと染まりにくい

✔色持ちが良くない

 

そもそも、カラーリングは痛むという概念がありますが、マニパニにはそれがないということ。髪を傷めたくないけどカラーを楽しみたい、傷んだ髪でもカラーを楽しみたいという方にもお使いいただけるアイテムです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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