くせ毛でお悩みのあなたへ、くせのある髪は原因や特徴を知ることで扱いやすくできるんです。
今回は、くせ毛を毎日見てきた美容師がくせ毛の原因・種類・診断方法をご紹介。
くせ毛の原因には、遺伝と後天的なものの2つが存在しています。
遺伝・生まれつきの場合は根本的には治すことができませんが、扱いやすい髪の毛にはできます。その方法とは?

くせ毛を扱いやすい髪にするには、種類について知っておくことも大切。一口にくせ毛と言っても、実は4種類もあるんです。
4種類あるうち、自分がどれに当てはまるのか知るための診断方法についてもご紹介します。
くせのある髪を扱いやすい髪にできたら、次はくせ毛をおしゃれに活かす方法も気になりますね。
今回はくせのある髪に似合う髪型・ヘアカラーもご紹介します。
後半では、くせ毛のヘアケアにおすすめのホームケアアイテムの選び方も解説しますので、くせ毛でお悩みの方はぜひ最後までご覧くださいね。
うねりやチリチリ・パサパサで広がるくせ毛、その原因を知ろう
髪悩みと言えばくせ毛、といっても良いほどお悩みの方が多い「くせ毛」。
レディース・メンズ問わずお悩みの方が多いです。

くせ毛の原因は、大きくわけて遺伝(生まれつき)と後天的なものの2種類。
この2種類のうち、ほとんどのくせ毛の原因は遺伝だと言われています。
くせ毛の原因については以下の記事で詳しく解説しているので、こちらもぜひご覧くださいね。
生まれつきのくせ毛は根本的には治すことはできませんが、実は扱いやすく改善できることをご存知でしたか?
生まれつき・先天的なくせ毛を治す方法なくても改善はできる
生まれつきのくせ毛を根本的に治す方法は今のところありません。
しかし、縮毛矯正をしなくても、くせ毛悩みの原因であるうねり・チリチリ・パサパサは改善可能なんです。
うねり・チリチリ・パサパサを改善するには原因を知ることが大切。
これらが悪化する共通の原因としてはくせ毛の特徴が関係しています。
それは「ダメージを受けやすいこと」「乾燥しやすいこと」の2つです。

まずはくせ毛がダメージを受けやすい理由について解説しますね。
当たり前ですが、くせ毛は髪の毛がうねっているのが特徴ですよね。
髪がうねっていると、髪同士がぶつかりやすくなるため、常に摩擦が起きているような状態になります。
髪の毛は摩擦に弱いもの。ですから、髪がうねっていることが、くせ毛がダメージを受けやすい原因の一つになります。
くせ毛は髪の表面が凸凹しているという特徴もあります。
これも、アイロンやブラシでの摩擦を大きくするため、髪が傷みやすくなる原因。
また、くせ毛が傷みやすいのは髪の毛の構造だけではなく、ストレートアイロンや縮毛矯正など、髪にダメージを与える機会が多いことも影響しています。
次にくせ毛の髪が乾燥しやすい理由について。

髪の毛の内部には、コルテックスと呼ばれる構造があります。
コルテックスには、柔らかく水分を含みやすいタンパク質であるOコルテックスと硬く水分を含みにくいタンパク質であるPコルテックスの2種類が存在。
ストレート毛の場合、この2種類のコルテックスはバランスよく分布していますが、くせ毛は、OコルテックスとPコルテックスが偏って分布しています。
ですから、髪内部の水分分布も偏るため、髪全体の水分量も少なくなるのです。
さらに、先ほどお話ししたようにダメージでも乾燥は進むため、くせ毛は特に髪のパサパサが気になりやすいというわけなんですね。
以上のことから、乾燥&ダメージケア(予防・補修)に力を入れることでうねり・チリチリ・パサパサを改善し、生まれつきくせ毛でも扱いやすくできるのです。
髪のおしゃれ、カラーやパーマはダメージが蓄積するので要注意
髪のおしゃれをするときに欠かせないカラーやパーマですが、カラーやパーマには先ほどご紹介したうねり・チリチリ・パサパサを悪化させる原因であるダメージがつきものです。
そのため、くせ毛さんがこれらを取り入れる時には注意が必要です。

具体的には、以下のようなことをできるところからで良いので取り入れてみて下さいね。
- カラーは根元のみ、リタッチにする
- 毎日ダメージケアできるヘアケアアイテムを使用する
- アイロンの使用はできるだけ控える
- 髪を洗ったらすぐにドライヤーで髪を乾かす
- ドライヤー・ブローの前にはアウトバストリートメントを使う
あなたのくせ毛はどのタイプ?いろいろある種類を紹介します
くせ毛を扱いやすくするには、くせ毛について知ることが大切です。
くせ毛、と言っても実は種類があるのをご存知でしたか?

実はくせ毛には4種類もの種類があるんです。
- 波状毛(はじょうもう)
- 縮毛(しゅくもう)
- 連珠毛(れんじゅもう)
- 捻転毛(ねんてんもう)
続いては、くせ毛の種類と診断方法をご紹介します。
くせ毛の基本4種類とどのタイプか調べる方法について

くせ毛の種類は、髪の毛を一本採取することで判断できます。
くせ毛診断をする場合には、以下の項目に当てはまると正確に診断できないので注意してくださいね。
- ヘアアイロンでスタイリングしている
- 結んでいた跡がある
- 縮毛矯正やパーマをかけている
髪の毛を採取したら、まず手触りを確認します。手触りがザラザラしたら、くせ毛の可能性大。

次に見た目の観察に移りましょう。
- 髪の毛が波のようにうねっている→波状毛
- チリチリとした細かいくせがある→縮毛
- 大きさにばらつきのあるボコボコが数珠のように連なっている→連珠毛
- らせん状に髪の毛がねじれている→捻転毛
当てはまるものがありましたか?
詳しいくせ毛の種類の解説とくせ毛診断の方法は以下の記事でご紹介していますので是非ご覧くださいね。
ストレートヘアも一種のくせ毛?その他の種類についてご案内します
くせ毛は基本的に4種類に分類されますが、場合によっては「扱いにくい一癖ある髪」ということで軟毛や猫っ毛、さらにストレートすぎる直毛まで含まれるケースも。

直毛とは、名前の通り、一本一本が真っ直ぐで、ストンとした髪のこと。
くせ毛さんは想像が難しいかと考えますが、ストレートすぎる直毛さんもくせ毛さんと同じように意外と扱いに困っていらっしゃる方が多い髪質です。
昔の縮毛矯正後のような「シャキン」とした髪質を想像すると分かりやすいです。
特徴としては、「とにかくサラサラすぎてヘアアレンジができない」「ピンやゴムがすぐ落ちる」「動きが全く出ない」「高めの位置でポニーテールにすると髪がピンと立ってしまう」と言ったものが挙げられます。
最近は外国人風のナチュラルな動きのあるヘアスタイルが流行していますが、ストレートすぎる直毛の場合、再現するのはなかなか難しいでしょう。

軟毛・猫っ毛とは、一本一本が細く柔らかい髪質のこと。
軟毛・猫っ毛の特徴は「パーマかかりにくい」「ボリュームが出ず、ペタンとしてしまう」「髪の毛が細く柔らかい」こと。
軟毛や猫っ毛といった細い髪の毛は、パーマをかけたりカラーを入れたりするときに働きかける髪内部のタンパク質が少ないため「パーマがすぐへたってしまう」「ヘアカラーが定着せず色落ちが早い」といった特徴もあります。
一般的なくるくる・うねうねのくせ毛さんからはイメージしづらいですが、さまざまな髪質それぞれが持つ「癖」でみなさんお悩みを抱えているのですね。
おすすめのヘアアレンジ・カラー、くせ毛さんに似合う髪型とは
くせ毛の原因や種類についてみてきました。
くせ毛はネガティブに思われがちですが、実は活かすこともできるんですよ。

活かすことができるとは言え、朝長時間かけてなんとかスタイリングしていたくせ毛さんとしてはたくさんの疑問が浮かびますよね。
どんな髪にできるの?簡単にできるの?
続いては、髪の長さ別くせ毛を活かした髪型、くせ毛さんに似合うヘアカラーをご紹介します。
ショートからロングまでくせ毛を活かすヘアスタイル

ショートは広がりやすいとくせ毛さんに敬遠されがちですが、実はくせ毛さんにおすすめのヘアスタイル。
確かにショートは、髪が軽い分くせ毛が出やすい・広がりやすい髪型ではあります。
しかし、逆に言えばくせ毛を活かすには最高の髪型でもあるんです。
広がりやボリュームが気になることもありますが、そんな時にはしっとり系のスタイリング剤を使うことで、コンパクトにまとまる髪にできますよ。
しっとり系スタイリング剤で、くせを活かしながらパーマのようにセットするのがおすすめ。

ミディアム・セミロングは、くせ毛を活かすことで柔らかい雰囲気の女性らしい髪型を楽しむことができます。
ショートよりも髪の重さがあるのでくせを抑えやすい髪型でもありますが、レイヤーを入れることでふわっと女性らしい髪型に。
ミディアムは、くせ毛も活かしやすく、王道愛されヘアで比較的誰にでも似合いやすい髪型でもありますからくせ毛を活かす髪型に初めて挑戦する方にもおすすめですよ。

ロングは、短めの髪型よりはヘアケアが大変ですが、くせ毛を活かすことで、一見手の込んでいるように見えるヘアアレンジを簡単にできるのが魅力。
ヘアアレンジも楽しみたいおしゃれなくせ毛さんにおすすめです。
くせ毛におすすめのヘアスタイルについては以下の記事で詳しくご紹介していますので是非ご覧ください。
ブリーチ・カラー、くせ毛に似合うものを美容師がご案内
髪型が決まったら、髪色も気になるところ。くせ毛に似合うヘアカラーってあるのでしょうか?
くせ毛さんは最初の方でお話ししたように、乾燥しやすくダメージを受けやすい性質から、パサつきが目立ちやすいです。
そのため、暗めカラーがおすすめ。暗めのカラーは髪を綺麗に見せる効果もあります。
くせ毛は黒髪の場合、野暮ったく見えることもあるため、おすすめはアッシュ系・グレージュ系などのくすみ系カラー。

暗めでも軽く、垢抜けた印象になれますよ。
もし明るめのカラーにしたい場合には、メッシュやハイライトなど、ポイントカラーを取り入れるのもおすすめ。
ハイライトは白髪をナチュラルにぼかすヘアカラーをしても人気ですよね。
髪に立体感が出るカラーの入れ方なので、明るめカラーでも髪のパサつきが目立ちにくくできます。
くせ毛におすすめの髪色に関しては以下の記事でご紹介しているのでみてみてくださいね。
毎日のヘアケアが重要なくせ毛、シャンプー・トリートメントの選び方
くせ毛さんにおすすめの髪型・カラーをご紹介しましたが、気になるものはありましたか?
くせ毛さんが髪のおしゃれを楽しむためには、髪型・カラーと同じくらいヘアケアも大切です。

特にくせ毛を扱いやすくするには、最初にお話しした通り「乾燥」「ダメージケア(予防・補修)」がポイント。
そこで、続いてはくせ毛に最適なホームヘアケア製品の選び方をご紹介していきますね。
髪質に合ったシャンプー・トリートメントを選ぶことが大切です
乾燥やダメージに弱いくせ毛のために、シャンプー・トリートメントは以下3つのポイントを押さえたものがおすすめです。
- 洗浄力がマイルド
- 毛髪補修成分配合
- 保湿成分配合

1つ目のポイントは、シャンプーの洗浄成分が強すぎないこと。
強すぎる洗浄成分は髪に必要な皮脂まで取り除いてしまい、髪の負担になってしまうことがあります。
ケアしたいのに、逆に髪を傷めてしまうのは避けたいですよね。
シャンプーの洗浄成分としておすすめなのはアミノ酸系やベタイン系。
アミノ酸系は髪や体を作るタンパク質の素と同じ成分で弱酸性のため、髪や肌に負担が少ないのが特徴です。
ベタイン系はコンディショナーの役割もあり、シャンプーもできる洗浄成分。
その優しさから、赤ちゃん用シャンプーにも使われています。やさしい洗い心地で、髪をしっとり洗い上げてくれますよ。
2つ目のポイントは、毛髪補修成分配合であること。
髪は傷みやすい性質であるために、うねりやチリチリ・パサつきも悪化しやすくなっています。

一度ダメージを受けた髪は元に戻ることはありませんから、毎日ダメージ予防をすることと補修ケアが大切なのです。
毛髪補修成分は、髪の毛に必要な成分を補給して髪をしなやかに整えてくれる成分のこと。
髪の毛の主成分であるケラチン配合のシャンプーなら、髪にハリやコシ・ツヤを与えてすこやかな髪に近づけてくれます。
3つ目のポイントは、保湿成分配合であること。
繰り返しになりますが、くせ毛は髪質とダメージの受けやすさから、チリチリパサパサしやすい性質があります。
乾燥した髪の毛は水分を吸収しやすくなりますから、うねりが悪化することも。
保湿してうるおいのある髪の毛になれば、湿気によるうねり・広がりを抑えることができますよ。
ヘアセットにはヘアオイル・ヘアワックスがおすすめ、その理由とは?

くせ毛さんにヘアセットにはヘアオイルとワックスがおすすめです。
その理由は、次の2つ。
- くせ毛をスタイリングしやすい
- くせ毛にツヤを与えてくれる
まず、スタイリングの前にヘアオイルを髪につけることでくせ毛をしっとりまとまりやすい髪にととえられます。
くせ毛は乾燥しやすく広がりやすいため、なかなかスタイリングが難しいもの。
ヘアオイルはくせ毛に内部までうるおいを与えることで、まとまりやすい髪にしてくれます。
ヘアオイルに似ているものとしては、ヘアミルクなどもあります。
ヘアミルクと比べたヘアオイルの利点としては、水分の少なさ。
ヘアオイルは水分が含まれていないため、湿気に弱いくせ毛でも時間の経過で広がったりうねったりしにくいですよ。

ヘアオイルでくせ毛を整えたら、次はワックスでスタイリングしましょう。
ワックスにはジェルやファイバーなど、さまざまな種類がありますが、おすすめはヘアバームタイプ。
ヘアバームとは、天然由来成分で作られているヘアオイルとワックスの間のようなアイテムです。
ワックスといえば男子が使う整髪料とお考えの方もいるはずですが、ヘアバームはメンズ・レディース問わず大流行しています。
シアバターやミツロウ・天然植物オイルなどで作られているため、ヘアケアしながらスタイリングできるのが特徴。
保湿力が高く疎水性もあるため、梅雨のうねり髪対策にも。
固まらないため、くしを通したり、何度でもヘアセットをやり直すことができたりするのも嬉しいポイントです。
ヘアケアしながらヘアセットできるヘアオイルとヘアバームタイプのワックスで、ぜひおしゃれなくせ毛スタイリングを試してみてくださいね。
くせ毛はあなたの特徴、活かしておしゃれを楽しみましょう
今回は、くせ毛を毎日見てきた美容師がくせ毛の原因・種類・診断方法、くせ毛に似合う髪型をご紹介しました。
くせ毛の原因はほどんどが遺伝。
根本的に生まれつきのくせ毛をストレートにする方法は今のところありませんが、扱いやすく改善はできます。
そのためには、自分のくせ毛の種類・状態を知ることが大切。
くせ毛には基本的に以下の4種類あります。
- 波状毛(はじょうもう)
- 縮毛(しゅくもう)
- 連珠毛(れんじゅもう)
- 捻転毛(ねんてんもう)
髪の毛の手触りや見た目で判断できるものも多いので、観察してみてくださいね。
ネガティブに考えられがちのくせ毛ですが、実はおしゃれに活かす方法もあります。

ショートは、広がりやすいとくせ毛さんに敬遠されがちですが、ヘアケア・スタイリングでまとまる髪型にできます。
ミディアム・セミロングは、くせ毛を活かすことで柔らかい雰囲気の女性らしい髪型を楽しむことができるのでおすすめ。
ロングは、ヘアケアが大変になるものの、くせ毛を活かすことで、一見手の込んでいるように見えるヘアアレンジを簡単にできるのが魅力。
くせ毛を活かすにはヘアスタイルと同じくらいヘアケアも大切です。
くせ毛を扱いやすくするには「乾燥」「ダメージケア(予防・補修)」に力を入れたヘアケアを心がけましょう。
くせ毛はあなただけの個性でもあります。上手に活かしておしゃれを楽しんでくださいね。