つけている時だけ髪色を変えることができる一時染毛剤。
会社や学校の規定によって髪を染めることができない方にとって「つけている時だけ」髪色を変えられるのはとても嬉しいもの。
実際、一時染毛剤は気になるけど使ってみたことがない方も多いはず。
一時染毛剤はしっかり髪色を変えることができるのでしょうか。
そもそも一般的なヘアカラーとどのような違いがあるのでしょうか。
一時染毛剤はどうやって髪に色をつけているのでしょうか。
さまざまな疑問が浮かびますよね。
そんな方のために今回は、美容師が一時染毛剤について徹底的に解説します。
おしゃれ染めや白髪染めと一時染毛剤では着色の方法が全く異なります。
ヘアカラーと比較した一時染毛剤のメリットやデメリットもご紹介。
この記事を読んで、一時染毛剤を上手に取り入れてくださいね。
文字通り「一時的」に髪を染めることができる一時染毛剤
会社や学校の規定などで髪を染められない方は多いもの。
「イベントがあるから明日だけでも髪色を変えたい」
「休みの日だけ髪色を変えられる方法はないかな」
このような思いを抱えている方はたくさんいらっしゃいますよね。
一時染毛剤は、そんな思いを抱えている方の希望を叶えるカラーリングの方法の一つです。
一時染毛剤と聞いてもピンとこない方もいらっしゃるはず。
一時染毛剤について知るために、まずは一般的なカラーリングについても知っておきましょう。
(一般的なカラーとはサロンやホームカラーで用いられるヘアカラーこと。)
髪を染める商品は、「染毛剤」(医薬部外品)と「染毛料」(化粧品)の2種類に分類されます。
染毛剤には永久染毛剤と脱色剤の2種類に分けられます。
https://www.jhcia.org/information/1_classification.html
ヘアカラーは染毛剤の中の永久染毛剤に当てはまるカラーリング剤の種類。白髪染めも永久染毛剤に当たります。
永久染毛剤はさらに酸化染毛剤と非酸化染毛の二種類に分類されますが、非酸化染毛剤とはあまり一般的ではないので今回は割愛しますね。
永久染毛剤の中でもヘアカカラーや白髪染めなどメジャーなカラーリング方法である酸化染毛剤。
酸化染毛剤は髪の毛の内部に色素を入れて髪色を変えるタイプのカラーリング剤です。
ブリーチほどではありませんが、若干の脱色作用があるため、髪の毛のメラニン色素を分解して内部まで色素が入りしっかり染まるカラーリングの方法。
ではそれに比べて一時染毛剤とはどのようなカラーリングの方法なのでしょうか。
美容師が次の項目で説明してきますね。
毛髪の表面に着色成分を載せて髪の色を変えるだけ
ヘアカラーや白髪染めといった酸化染毛剤は、医薬部外品。
髪の内部に色素を入れることでしっかり髪色を変えるカラーリングの種類でした。
一方、一時染毛剤(一時染毛料)とは染毛料(化粧品)に分類されます。
一時染毛剤とは「着色剤を髪の毛の表面に付着させて、一時的に髪の毛に色を付ける」もの。
マスカラを想像すると考えやすいでしょう。
ヘアカラーや白髪染めのように髪の内部には一切作用しないため、シャンプーで色を落とすことができます。
一時染毛剤は、数時間、─日だけイメチェンしたい、そんなあなたにおすすめのカラーリング方法と言えますね。
一時染毛剤のデメリットは髪が固まる、色がすぐに落ちること
ちょっとだけ髪色を変えたい、そんな時にお化粧感覚で使用できる一時染毛剤はとても便利。
「お出かけの時だけちょこっと白髪が隠れればいいや」
「イベントで一部分だけ派手にしたい」
そんな方におすすめのカラーリング剤の種類です。
手軽に髪色を変えることができて便利な一時染毛剤には、デメリットも。
- 髪がベタベタ、パキパキと固まる
- 汗や雨などで落ちてしまう
一時染毛剤は、塗料を髪に塗布する方法で髪に色をつけます。
そのため、塗料同士でくっついてしまい、髪が束になってしまうことも。
一時染毛剤にはスプレータイプやマスカラタイプ・ワックスタイプなどさまざまな種類・商品があります。
(それぞれの種類についてはこの後詳しく説明しますね。)
種類によってはパキパキに固まってしまうものも。
ヘアカラーや白髪染めのような自然な髪の染まり方にはならないことが多いです。
また、色素が髪に付着していることで髪色を変えていますので取れやすい特徴も。
取れやすいことは、手軽に使用できるというメリットでもありますね。
しかし、雨や汗でも取れてしまうことも。
一時染毛剤を使用する時には帽子やヘルメットなどは避けるのがおすすめ。
ロングヘアの場合には、服に一時染毛剤がついてしまうこともあります。
一時染毛剤には手軽にカラーできるメリットもありますが、「固まる」「取れやすい」といったデメリットも。
メリット・デメリットを比較して一時染毛剤を上手に取り入れるようにしましょう。
どんな種類がある?選べる一時染毛剤について
メイクのように一瞬で手軽に髪色をチェンジできる一時染毛剤。
一言で一時染毛剤と言っても実はさまざまな種類があるもの。
ドラッグストアやネットショップでは、たくさんの種類の一時染毛剤が数多く販売されています。
一時染毛剤の代表的なものには、スプレータイプやワックスタイプがあります。
それぞれどのような特徴があるのでしょうか。
使いやすいものはどれでしょうか。
自分に合うものはどれなのか、これも気になるところ。
続いては、一時染毛剤の種類について、それぞれ詳しく解説していきますね。
使いやすいヘアカラースプレーやワックス、選ぶ際の注意点
スプレータイプの一時染毛料は、一度に広範囲の髪色を変えることができます。
「金髪をバイトの面接の時だけ隠したい」そんな時に便利なスプレータイプの一時染毛剤。
サラサラする、ベタベタすると言った使い心地は商品によっても差が大きいもの。
また、触ったり、ブラシでとかしたりするとパラパラと色素が剥がれてしまうことも。
スプレーを選ぶときには、使用感・耐水性などを事前に口コミ等で調査しておくと良いでしょう。
スプレータイプを使用する時には、事前にスタイリングしてからスプレーを。
スプレーした直後はしっかり乾くまで髪に触れないように注意しましょう。
乾いた後には、目の洗いコームやブラシでとかしてOKですが、できるだけ触らないのがおすすめ。
ワックスは、スタイリングしながら髪の色をチェンジできます。
セット力も弱いものから強いものまでさまざまなものがあるので、希望のスタイリングに合ったものを選ぶのがおすすめ。
髪の毛全体の色を変えたい場合には柔らかめのものが塗りやすいです。
ワックスもスプレーと同様に耐水性のあるものもありますので、事前にチェックするのがいいでしょう。
スプレーもワックスも髪がしっかり染まるかは重要です。
加えて、つけた後の髪質・耐水性・色移りがしないかどうかについても確認しておくようにしましょう。
「ベタベタして一度しか使っていない」
「髪が固まって使い心地が悪い」
「服に色がついてしまった」
事前にしっかり情報収集することで、このような失敗を防ぐことができますよ。
実際に使ったことのある人から感想を聞くのが最も良いですが、なかなか難しいですよね。
リップスやアットコスメと言った口コミサイトを覗いてみるのもおすすめです。
ヘアカラーよりも気軽に使えるので一時染毛剤はおすすめ?
とても簡単に使える一時染毛剤。
より一層使ってみたくなった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
髪の内部に作用しない分、ヘアカラーと比較してダメージの少ないイメージのある一時染毛剤。
ところが、実はヘアカラーにはないダメージも。
一時染毛剤を使って髪の色を変えた場合もダメージはあります
一時染毛剤はシャンプーで落ちることが大きなメリットの一つ。
しかし、雨や汗による色落ちを防ぐために、耐水性を高めている商品は多いです。
そう中に落ちにくいのは嬉しいですが、その分シャンプーしても落ちにくいことも。
メイクと同じですね。取れにくいので何度もシャンプーする羽目に。
最低に2回以上はシャンプーすることになる場合も多いです。
シャンプーは、回数が増えるほど、髪の負担になります。
一時染毛剤を使うことで、髪が固まって絡まることも。
絡まりを解くときには髪に大きなダメージが。
このように、一時染毛剤は、ヘアカラーのダメージとは少し異なった点での小さなダメージが蓄積しやすくなることもあります。
とはいえ、たまに使用する程度であれば、ヘアカラーより髪へのダメージを抑えることが可能。
もし「ちょっとだけ髪色を変えたい」という場合には一時染毛剤をうまく取り入れましょう。
使う前にアレルギー成分が含まれていないかチェックしておこう
ヘアカラーのアレルギーで有名なものにはジアミンアレルギーがあります。
ジアミンアレルギーって聞いたことがありますか?
ヘアカラー剤には「パラフェニレンジアミン」という酸化染料が含まれています。この染料の略称が「ジアミン」。
ジアミンは頭皮や皮膚に沈着してシャンプーをしても取れなくなってしまいます。
カラーをすればするほどジアミンは頭皮に蓄積されていきますから、頭皮が痒くなったり、ただれたりすることがあります。
これがジアミンアレルギー。
一時染毛剤にはジアミンは使われていないものの、肌につくと痒みやかぶれを引き起こす可能性もゼロではありません。
化粧品でも肌に合わない時には、かぶれることがありますよね、それと同じです。
もし、体質的に気になる成分があるのであれば、しっかり成分表を確認しておきましょう。
始めて使う時には、すぐ落とすことができるように、まずは自宅で試し様子を見るのもおすすめです。
変化があった際には、すぐに洗い流すようにしてくださいね。
症状が残るようであれば、製品を持って皮膚科を受診するのがおすすめです。
一時染毛剤が頭皮につかないように気をつけてください
一時染毛剤は、使用中に取れにくいように、手のひらについてもなかなか洗い流せないもの。
そのため、もし頭皮についたまま一日過ごしてしまうと、さらに落ちにくくなることも。
化粧品と同じように、ついている時間が長ければ長いほど頭皮・お肌に負担をかけることにもつながります。
白髪染めとして使う時には生え際、耳周りなど、頭皮に近い部分に使うことが多いですよね。
その場合には頭皮につかないように特に注意しましょう。
そのような場合には先ほどご紹介したスプレーやワックスより、マスカラタイプの一時染毛剤がおすすめ。
ブラシが小さく細かいところまで塗りやすいですよ。
一時染毛剤と言っても少し前にお話ししたようにさまざまな形状のものが販売されていますから、自分の使用方法に合わせて使いやすいものを選ぶようにしましょう。
一時染毛剤はシャンプーで洗い流せますが使用はくれぐれも気をつけて
今回は、美容師が一時染毛剤について基本的なことから、メリット・デメリットまで徹底的に解説しました。
ヘアカラー・白髪染めといった酸化染毛剤は髪の毛の内部に色素を入れて髪色を変えるタイプのカラーリング剤。
ブリーチほどではありませんが、若干の脱色作用があり、髪の毛のメラニン色素を分解して内部まで色素を入れることで着色しています。
そのため、染めた部分は永久的に元の色に戻ることはありません。
一方一時染毛剤とは「着色剤を髪の毛の表面に付着させて、一時的に髪の毛に色を付ける」もの。
化粧品に分類され、シャンプーで色を落とすことができます。
メイクのように手軽に髪色を変えることができるの魅力的な一時染毛剤ですが、デメリットも。
- 髪がベタつく、固まる
- 汗や雨で色が落ちる
- 衣服やタオルに色が移る
一時染毛剤のデメリットには上記のようなものがあります。
一時染毛剤は、髪の内部には一切作用せず、髪の表面に色を載せることで発色しているカラーリングの方法。
そのため、お肌のメイクと同じように、水や摩擦には弱い性質があります。
一時染毛剤にはスプレータイプやワックスタイプなどさまざまな種類が。
その種類によっても使用感は異なるため、自分の希望に合ったアイテムを見つけましょう。
一時的に髪色を変えることができる一時染毛剤には、ヘアカラーや白髪染めとは異なる魅力があるカラーリングの方法。
- 服に髪が着かないようなスタイリングにするときに使用する
- 一時染毛剤を使用した時は帽子を被らない
- 天気の良い日に使用する
このような対処をして、気軽にイメチェンを楽しみましょう。
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