ワックスを頭につけていると、痒くなるというお客様は一定数いらっしゃいます。
◆LINEでいただいたご質問
ワックスをつけると頭皮に痒み、赤みが出ます。解決策はありますか?
多くの方はつけてすぐの時は頭皮の痒みを感じないものの、時間が経ってから痒く感じることがあるとおっしゃいます。
なぜワックスで頭皮が痒くなるのか?
今回は、痒くなる原因と、痒くならない対策について解説していきます。
ワックスで頭皮がかゆくなるのはなぜ?
ワックスをつけると少し時間が経ってから頭皮が痒いと感じませんか。なぜなら髪の毛につけているつもりでも、汗などによりワックスが頭皮についてしまい、それが痒みの原因となります。
必ずしも頭皮にワックスがつく=痒くなるということではありません。頭皮環境は人それぞれ。痒みが発生しやすい体質かどうかによっても変わってきます。
界面活性剤は頭皮の痒みを引き起こすの?
基本的に髪に形をつけるためのヘアワックスの成分は、油、シリコン、界面活性剤、ポリマー、香料、着色料、アルコール、防腐剤などが配合されています。
敏感肌の方ですと界面活性剤に神経質になっている人は多いです。
界面活性剤と聞くとなんだか洗剤のイメージが強いかと思いますが、簡単に言えばその通りです。もちろん洗剤には洗浄力が強いものが配合されていますので全く同じではございません。
なぜ界面活性剤を配合しているかと言えば、自然界で分離すると言われる水と油を界面活性剤によってワックス特有の「クリーム状」の質感にしています。このクリーム状こそが髪のセット成分を髪になじませるために必要なのです。
油と水が分離している状態だと、使用するお客様の使用感が満たされないということにもなりますから、ワックスとしての機能が果たせないことになるでしょう。それほど、界面活性剤は重要なものであるという位置づけなのです。
また、痒みは時間と大きく関わっています。
例えば、少し極端な例ではありますが、食器用洗剤をゴム手袋なしで長時間手につけていると、手は荒れてきて痒くなりますよね。敏感肌の方ですと界面活性剤を長時間髪につけていると汗などにより、頭皮に付いて痒みを引き起こす場合があります(もちろんお肌の強い・弱いは人それぞれです)。
すべてのワックスに含まれる界面活性剤が悪いということではなく、人によっては体調などによって荒れたりしますし、中には肌に低刺激の物もありますので、一概に界面活性剤をつけてはいけないというわけではありません。
お客様からご意見をいただくため、意見を書かせていただいております。
あくまで敏感肌であれば界面活性剤を極力避けた方がという考え方を持っており、肌に合わない人のために、この後もお肌のこと考えた意見を綴っておりますので、この記事が読者さんのお役に立っていただければ幸いです。
シリコンは頭皮を詰まらせる?それは嘘?
界面活性剤だけでなく、シリコンも頭皮の痒みの原因になるという情報は多いです。確かに頭皮には多くの毛穴が存在しますからシャンプーでしっかり落とせなかったワックスが毛穴を塞ぐことにより毛穴付近の環境が悪化し、皮脂の分泌が正常に行われなかったり、細菌の繁殖などが炎症を引き起こし、結果的に痒みや荒れに繋がりやすいです。
とはいえ、シリコン単体がが必ずしも頭皮を詰まらせるというわけではありません。シリコンは髪を滑らかにし手触りを良くしたり、髪同士の摩擦をなくしダメージを軽減させるメリットがあります。それにワックスやヘアオイルに含まれるシリコンは揮発性も高いのですっぽりと毛穴を覆うことはないでしょう。とは言え、異物が頭皮につくことには変わりありませんから、化学的に影響はなくても物理的に違和感があって頭皮をかいてしまうと頭皮環境は悪くなってしまいますね。
ちなみにノンシリコンシャンプーが流行り世の中に多く出回りましたが、お客様はシリコンに対しての印象はあまり良いものではないとおっしゃいます。
ですが、シャンプーやトリートメントにはシリコンが配合されており、5分ほどで洗い流されるので、この短時間で頭皮が詰まり炎症を起こすということはまず考えられません。
一方、ワックスは朝から晩までの間ずっと髪についたままなので、シャンプーなどよりも理論的に「頭皮が痒くなりやすい」ということには繋がるかとおもいます。
痒くなる原因は様々
他にも、お客様の体質によってはポリマー、香料、着色料、アルコール、防腐剤なども痒みを引き起こす場合があります。
人間の体なのでどの成分が絶対に悪いと言い切ることはできませんが、なんとなく化学的な成分が苦手とご相談いただくことは多いです。
なぜでしょうか。香料や着色料など、一見痒みと相関がなさそうな成分においても、実際にアレルギーや痒みを引き起こす方がいるのは事実です。
お使いの製品に防腐剤も配合されている場合があります。なぜ、防腐剤が含まれるのか?なぜなら、製品を酸化させないためです。
防腐剤としてパラベンを使われることが多く、パラベンフリーの化粧品は今や消費者の必須条件として多くの方が採用しています。
パラベンは、日本の法律で成分濃度1%未満と決められており、これは厚生労働省より5%以上の濃度になると皮膚刺激が出るというデータに基づいて明らかになっております。
しかし、論文によっては成分濃度が1%未満(法律範囲内濃度)でも100人中3人は皮膚刺激があるとの報告があります。これらの理由から、お客様のことを考えパラベンを極力使用しない企業が増えているのが現状です。
近年、〇〇フリーという製品が多く商品化されているということは、〇〇フリーを求める消費者ニーズの数があるだけでなく、法律で取り締まられるほど影響のある成分が無い上に消費者に「安心して」使用していただきたい、また、これらの成分の危険性を知っていただきたいというメッセージでもあると考えられます。
まとめ
いかがでしょうか?
今回は、ワックスで頭皮がかゆくなるのはどうして?についてご紹介しました。
お客様から実際にいただいたご意見として、頭皮が痒くなるのはワックスの成分が大きく関係していたこと。そして、頭皮に悩みのある方は「頭皮に良くない成分が配合されていないワックス」をお使いいただくことが最も理にかなっているという結論になりました。
ワックス一つで頭皮の悩みから解消されるのであれば、頭皮に優しいオーガニックワックスを一度試してみる価値はあると思います。
(ヘアバーム ハード) 60g
3,900円(税込)〜

1992年生まれ。東京原宿表参道エリアでフリーランススタイリストを経験後、渋谷に美容室CALAMARIをオープン。ブリーチ、カラー、パーマといった施術はもちろん、ヘアカット技術にも定評があり、21歳で独立。
現在は美容室オーナーでありながら、Webメディア「カミセツ」の監修美容師もこなすなど理美容の知識も豊富な髪の専門家。