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濡れた髪にワックスをつけてセットできる?乾いた髪とどう違う?

投稿日:2020年1月5日 更新日:

結論、濡れた髪にヘアワックスをつけてもいつもと違ったニュアンスにヘアセットができます。乾いた髪にワックスをつけるよりツヤとウェーブを全面的に出す仕上がりになります。

ちなみにこの傾向は直毛の人より、くせ毛やパーマをかけている人の方が顕著にあわられます。

濡れた髪にワックスをつけるとどうセットできる?

くせ毛の人にとって、濡れたままワックスをつけるのはこのような仕上がりになります。いい感じにくせ感を生かすことができるからです。パーマをかけている方も同様です。

これは、くせ毛の方が髪に含まれるタンパク質のバランスが均等に並んでいないことが主な原因です。くせ毛は水に濡れてしまうとうねりが出ますし、パーマも濡れている時の方がカールが強くなるのが特徴です。

正面から見てみましょう。

今回は濡れた状態にプリュム・デュールを使いましたが、お好みでジェルを使っても上品なウェット感が演出可能です。

プリュムデュール
(ヘアバーム ハード) 60g

3,900円(税込)

濡れた髪にワックスをつけるとカールが強く出るのはなぜ?

◆カット前

◆カット後、濡れた髪にワックスをつけた

カールが強く出るのはなぜ?

濡れた髪にワックスを使うと綺麗にカールが出ることがわかりましたが、根拠を解説します。

髪の90%近くを占めるのは、コルテックスというタンパク質です。そのタンパク質は「オルソコルテックス」と「パラコルテックス」の2種類あり、水分の吸収率など性質が異なります。直毛の場合は、髪の中で2種類のバランスが保たれているのですが、くせ毛はバランスが偏っていて、断面図で見るとキレイな円形ではなく楕円形になっています。

直毛の場合は、この2つの成分が均等に並んでいるのですが、くせ毛の場合は、不均一であり、さらに断面で見ると直毛のようなキレイな丸ではなく、三角や楕円といった形をしています。

タンパク質には、『吸水性』があり、不均一にタンパク質が存在している部分に集中して水を吸うことで、外側へと膨らみます。

くせ毛は湿気に弱いといいますが、実は水分を吸うのは直毛でも同じです。水分を吸うことで髪が膨らみますのが、直毛の場合は、均等に膨らむため、真っ直ぐのまま膨らみます。この吸水性を利用し、うねりやカールの状態でワックスをつけてセットすることで、くせ感がキープされ、結果的にくせ感を活かすことができます。

ですから、直毛の人は髪を濡らしてもクセが強くなるというわけではないので、あまり意カールはしません。

濡れた髪にワックスを使うメリットデメリットは?

メリット&デメリットを教えて!

メリット

・寝癖直しも兼ねる

朝の寝癖を直すのに、水の力がどうしても必要ですよね。特にくせ毛の場合は強力な寝癖を直すのに根元(頭皮)から水で濡らさないといけません。

髪の毛は水を濡らすと水素結合という観点から髪の毛がやわらかくなります。逆に乾いている状態では髪は硬くなります。

ですからしっかり朝の寝癖直しは髪の毛をしっかり濡らすことが重要です。

朝のセットで1日が決まるので、ヘアセットはしっかりと決めたいところですね。

・セットがしやすくなる

濡れた髪にワックスを馴染ませる簡単ヘアセットですから、乾いた状態よりもセットが簡単にできます。

デメリット

・濡らしてタオルドライするのに時間がかかる

髪を濡らしたあとはタオルで髪を乾かす時間もしっかりと取らないといけません。

・髪が傷みやすくなる

髪の毛は濡れた状態ではキューティクルが開いて無防備な状態です。ワックスには基本的に界面活性剤や防腐剤、アルコール(エタノール)が含まれておりますから、髪の毛を傷めてしまう懸念があります。

ワックスに含まれる界面活性剤、アルコールにはクリーム状にしたり、伸びを良くしたり、濡れた髪と馴染ませるために大切な成分ではあります。しかしながらお肌一方で肌が荒れる方も一定数いらっしゃいます。

それに、髪が濡れたままの状態でつけるワックスに、ジェルやグリースタイプを使う方も多いと思います。このタイプの主成分は『グリセリン』と呼ばれる、化粧品などにも使われるとても水に溶けやすい親水性のある成分でできています。

ですから、濡れたままの髪につけると物足りなさを感じてしまい、どうしても普段より多めにワックスを使用してしまいがちです。なぜなら、少ないと親和性により水に溶けてしまうのでセット力が落ちるからです。

頭皮や根元に近い部分にまとめて付きやすく痒くなるというお客様もいらっしゃいます。

どれくらい濡らせば良いのか

どれくらい濡らせばいいの?霧吹きではだめ?

メリットでもお伝えしたとおり、朝はどうしてもついてしまう寝癖を直すために水で髪を洗い流しますよね。髪を濡らすことで、この癖をリセットできる利点もあります。

これは水素結合といって髪のかたちを決めるもので、水に濡らすことで自由自在に髪のかたちが変わりますから、寝癖がひどい人は根元から濡らす、すなわちお風呂に入った時くらい濡らすのがベストです。

しっかり濡らすことができるのであれば霧吹きでも良いですが、剛毛、多毛の方はシャワーがベストでしょう。

お風呂に入った時に、くせ毛の人でも髪はボリュームが落ち着きますよね?それがこの原理です。

ワックスだけでは水素結合で髪のかたちを変えることが難しいので、セット前にしっかり髪を濡らしましょうね。

基本的に、毛先を遊ばせたいときや髪に軽さを出したい場合はしっかりとドライすることをおすすめします。それに、ワックスには水と混ざり合う成分が多いですからあまりにも髪が濡れているとワックスの効果が薄れ、髪にも良くないのでおすすめしません。

経験からいうと、髪を濡らしたあと7~8割くらいドライした状態でつけるのが、パーマやくせ感を生かしたセットが楽になります。

髪を濡らす際の注意点

髪の濡らし方にも様々ですが、いくつか注意点があります。

基本朝シャンはおすすめしない

朝にお風呂に入ってシャンプーをしがちですが、朝の時間がないときこそシャンプーの洗い残りが多いです。これにより、頭皮や髪に影響を与えることでなり、抜け毛や薄毛に繋がることもありますからおすすめしません。

さらには朝のシャンプーにより1日外的要因(紫外線など)から頭皮を守ってくれる皮脂が流れ落ち、乾燥、フケ、皮膚病の原因にもなりますので朝のシャンプーは極力しない方がいいです

濡れた髪にアイロンは使わない

濡れた髪にワックスをつける影響をお伝えしましたが、ワックスを付ける前にいつもヘアアイロンを使っているからといって直接ヘアアイロンを使うと髪へのダメージがかなり大きいです。

なぜなら、熱により髪の内側の水分が熱膨張により蒸発してしまい、結果として髪がボロボロになります。これにより、枝毛や切れ毛の原因にもなりますので、濡れた髪にヘアアイロンは厳禁です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、『濡れた髪にワックスをつけてセットできるのか?』 について解説しました。

くせ感やパーマの人にはくせ感を生かせる効果がありますが、メリットは数分程度の時短であるということです。

朝のヘアセットは1日を決める時間であり、髪は一生付き合っていくものですので、少し時間をかけてでも労わってあげることが大切です。そして濡らしてワックスでセットすると乾かす手間が省けますが頭皮や髪にはあまり良いとは言えないということです。

また、髪を乾かすのは5~10分くらいで出来るのではないでしょうか。

これを時短になるから良いと思うか10分で自分の頭皮や髪を労われるから良いと思うかは、人それぞれの考え方ですが時間あるのであれば乾かしてからヘアスタイリング剤をつけたほうが良いでしょう。

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